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カラスはなぜ駆除できない?法律上の理由と正しい対策を専門家が解説

2026/2/21

  • 害鳥駆除

  • カラス駆除

カラスはなぜ駆除できない?法律上の理由と正しい対策を専門家が解説

カラスの被害に悩んでいる方にとって、いち早く何とかしたいという気持ちはよくわかります。

この記事では、「カラスは自分で駆除してしまっていいのか」「役所などの公的な機関に事前の届け出が必要なのか」といった点を解説していきます。

カラスはなぜ勝手に駆除できないのか?法律上の理由

結論から申し上げると、カラスを勝手に駆除することは法律で禁止されています。そして、技術的にも駆除作業は簡単ではなく、専門知識がない個人の方が完全に駆除に成功するケースは少ないです。

カラスは鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)で保護されており、許可なく捕獲・殺傷することは違法行為にあたるんです。

「カラスは害鳥なのに、なぜ保護されているの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、カラスだけが特別に守られているわけではないんです。

この法律は、日本に生息するすべての野生鳥獣を対象としており、生態系のバランスを維持するために制定されたものです。 

出典:環境省「野生鳥獣の違法捕獲の防止

鳥獣保護管理法とは?カラスが保護される仕組み

前述した鳥獣保護管理法について理解をしておきましょう。鳥獣保護管理法は、野生の鳥獣を保護し、生物多様性を確保することを目的とした法律です。カラスもスズメもハトも、すべて同じように保護対象に含まれています。 

ここで注意したいのは、「保護」といっても「手厚く守る」という意味だけではないという点です。この法律には鳥獣の「管理」も含まれており、農業被害や生活環境への影響が深刻な場合には、都道府県知事や市町村長の許可を受けて捕獲することが認められています。害鳥駆除会社はこのような届け出を役所向けに行っており、法律にしたがって駆除 を行っているということなんです。

つまり、「絶対に駆除できない」のではなく「正しい手続きを踏めば対応できる」というのが正確な理解になります。

違反した場合の罰則

鳥獣保護管理法に違反した場合の罰則は、想像以上に重く、例えば以下のようなものがあります。

  • 許可なくカラスを捕獲・殺傷した場合:1年以下の懲役または100万円以下の罰金

  • 違法に捕獲した鳥獣を飼育・販売した場合:6か月以下の懲役または50万円以下の罰金

  • 卵やヒナを許可なく処分した場合も同様に処罰対象

出典:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」

日本は法治国家であるため、いくら害をもたらすカラスとはいえ、勝手に駆除してしまうと法律で罰せられます。 
なので、カラスの深刻な被害に悩んでいて、完全に追い払いたい、駆除したいと思っている方は、役所に届け出をして自分で駆除するか、専門の駆除会社に依頼する必要があります。

現実的には、自分で役所に公的書類を提出して許可をもらってから駆除するというケースはかなり稀で、ほとんどの場合は駆除会社に依頼することになるでしょう。
また、法律面以外にも、カラスの駆除が簡単ではない理由もありますので、ここから解説していきます。

法律だけじゃない!カラスの駆除が難しい3つの生態的理由

法律面に加え、カラスの高い知能・強い繁殖力・都市環境への適応力が、駆除をいっそう困難にしているということも認識しておきましょう。

シロアリが建物内部で静かに被害を広げるのと同じように、カラスもまた人間の対策を学習しながら、したたかに生き延びているというわけです。

理由1:人間の7歳児並みの知能と学習能力

カラスの知能は、みなさんの想像をはるかに超えています。科学的な研究により、カラスは人間の4〜7歳児レベルの問題解決能力を持つことが確認されているんです。

たとえば、ニューカレドニアカラスは木の葉を加工して棒状の道具を作り、幹の奥にいる幼虫を釣り出す行動が観察されています。道具を「使う」だけでなく「作る」「改良する」という能力は、霊長類以外ではきわめて珍しいといわれています。

出典:ナショナルジオグラフィック日本版「カラスの知能、数手先を考え行動」

ここで知っておいていただきたいのが、カラスの「記憶力」と「情報共有力」です。カラスは人間の顔を記憶し、危険な人物を仲間に伝える能力を持っています。一度追い払われた場所を覚え、対策グッズの配置パターンまで学習してしまう。だからこそ、同じ対策を続けても効果が薄れていくんです。

理由2:高い繁殖力と環境適応力

カラスは3月下旬〜7月中旬にかけて繁殖期を迎え、1回の産卵で3〜5個の卵を産みます。雑食性で何でも食べられるうえ、都市部の生ゴミという豊富な食料源があるため、生存率が非常に高いのが特徴です。 

東京都の調査データが、カラス対策の難しさを端的に示しています。東京都は2001年からカラス対策に本格的に取り組み、2023年までに累計約25万羽を捕獲しました。その結果、都内の生息数は2001年の約36,400羽から2023年には約8,300羽へと約78%減少しています。 出典:東京都環境局「生息数等の推移(取組状況)」

この数字が意味するのは、20年以上・25万羽という膨大な捕獲努力があって初めて成果が出るということです。個人レベルの対策だけでは太刀打ちできないというのがリアルな実情です。

理由3:都市環境では駆除手段が限られる

外国であれば銃器やわなによる捕獲が可能な場合もありますが、住宅街や市街地ではそうはいきません。銃器の使用は危険で現実的ではなく、わなの設置場所を確保すること自体が困難なんです。 

環境省のカラス対策マニュアルでも、都市部における捕獲の限界が指摘されています。大量に捕獲しても繁殖で個体数が回復するため、捕獲圧だけでカラスの生息数を減少させることは難しいとされています。 

出典:環境省「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」

「じゃあ打つ手がないのか」と感じるかもしれませんがそうではありません。
駆除ではなく「被害を減らす」という発想に切り替えることで、効果的にカラス被害を軽減できます。 

ここまで読んで、「すぐに対策を始めたい」と思った方は、一般社団法人全国鳥獣害・衛生防除協会にご相談ください。当団体は全国の優良な駆除業者のみが加盟している団体であり、お住まいの地域に適した業者をご案内いたします。

カラス被害を減らすためにできる対策と注意点

まず前提として理解していただきたいのは、カラスを「駆除」するのではなく、「寄り付かない環境を作る」のが被害対策の基本であるという点です。

ここから、効果的な対策を5つご紹介します。

ゴミ出し対策(最も効果が高い)

カラスが都市部に居座る最大の理由は、生ゴミという食料源があるからです。この点はみなさんも頭の中でイメージができると思います。したがって、ゴミ対策はカラス被害対策の中で最も即効性があります。

  • 防鳥ネットでゴミを完全に覆う(ネットの端を重しで固定し、隙間を作らないことがポイント)

  • 生ゴミは水気をよく切り、新聞紙で包んでから袋に入れる

  • ゴミ出しは収集日の朝に行い、前夜の放置を避ける

  • カラスは赤色やオレンジ色に強く反応するため、色付きの食品残渣は特に厳重に包む

鳩のフン害対策と同じで、「エサがなければ来る可能性が低くなる」という原則はカラスにも当てはまるんです。地域全体で取り組むことで、効果はさらに高まります。

物理的な忌避対策

カラスが特定の場所に寄り付くのを防ぐには、物理的な対策が有効です。

  • テグス(釣り糸):カラスは羽に何かが触れることを嫌うため、1〜2メートル間隔でテグスを張ると寄り付かなくなる

  • 防鳥ネット:ベランダや家庭菜園を完全に覆う方法。確実性が最も高い

  • 反射板・CD:一時的な効果はあるが、カラスは数日で慣れてしまうため、設置場所や角度を定期的に変える必要がある

ただ、率直に言えば、反射板やカカシのような視覚的な対策は、カラスの学習能力の高さゆえに長期的な効果は期待しにくいのが現実です。物理的にアクセスを遮断する方法を優先しましょう。

営巣時期の注意と巣の撤去

3月〜7月はカラスの繁殖期です。この時期、巣やヒナの近くを通ると親ガラスが威嚇・攻撃してくることがあります。特に5月以降は攻撃性が増すため注意が必要です。 出典:東京都環境局「カラスに関するQ&A」

巣の撤去については重要な注意点があります。卵やヒナがいる状態で巣を撤去する場合は、自治体への許可申請が必要です。許可なく卵やヒナを処分すると法律違反になります。まずはお住まいの市区町村の環境課や農林課に相談してみてください。 

ここまで読んで、自力での対策にハードルの高さを感じた方も多いと思います。

自力対策の限界|専門業者に相談すべきケースとは?

ここまでご紹介した対策は、個人でできる範囲のものですが、面倒や手間がかかります。特に、以下のようなケースでは、自力での対応が難しいと考えてください。

  • 敷地内の高所にカラスが繰り返し営巣し、住人や通行人が攻撃を受けている

  • 農作物への被害が深刻で、防鳥ネットだけでは防ぎきれない

  • マンションやビルの屋上でカラスが集団でねぐらを形成している

  • 自治体に相談しても対応が追いつかず、被害が拡大し続けている

イノシシやシカの獣害対策と同じように、カラスの被害対策も規模が大きくなると専門的な知識と機材が必要になります。有害鳥獣捕獲の許可申請手続きの代行や、建物に合わせた防鳥設備の設計・施工は、プロに任せるのが確実でしょう。 

一般社団法人全国鳥獣害・衛生防除協会では、カラスをはじめとする鳥獣被害に関するご相談を承っています。審査を通過した優良な駆除会社のみが加盟している団体ですので、安心してお問い合わせください。

カラス被害に関するよくある質問

Q. カラスを追い払うだけなら違法になりますか?
A. 手を叩いて音を出す、傘を広げるなど、カラスを傷つけない方法で追い払う行為は違法ではありません。ただし、石を投げるなどカラスを傷つける可能性がある行為は鳥獣保護管理法に抵触する恐れがあるため、避けてください。

Q. 有害鳥獣捕獲の許可はどうやって申請しますか?
A. お住まいの市区町村の環境課や農林課が窓口です。被害状況の調査書と捕獲実施計画書を提出して申請します。多くの自治体では権限が市町村に委譲されているため、都道府県庁ではなく市区町村役場に直接ご連絡ください。詳しい手続きは自治体ごとに異なりますので、まずは電話で確認してみましょう。

Q. カラスによる農作物の被害額はどのくらいですか?
A. 農林水産省の統計によると、令和5年度のカラスによる全国の農作物被害額は約13.3億円にのぼります。これは鳥類による被害全体(約23.8億円)の半分以上を占める数字で、鳥類の中では最大の被害をもたらしています。 
出典:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」

Q. 効果がないカラス対策はありますか?
A. カカシや目玉模様の風船など、見た目で脅す対策は長期的には効果が薄いとされています。カラスは数日で「危険ではない」と学習してしまうためです。環境省のマニュアルでも、視覚的な忌避対策は補助的な手段として位置づけられており、ゴミ対策や物理的遮断を主軸にすることが推奨されています。

まとめ

それでは、この記事のまとめです。

カラスは鳥獣保護管理法で保護された鳥であり、許可なく駆除すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。法律上の制約に加え、人間の7歳児並みの知能と高い学習能力、都市環境への強い適応力が、カラス対策を困難にしている要因です。 

ただ、「駆除できない」ことは「何もできない」ことではありません。ゴミ対策を徹底し、物理的な忌避設備を設置し、繁殖期の対応を正しく行えば、カラス被害は着実に減らせます。東京都が20年以上かけて生息数を78%減少させた実績が、それを証明しています。

 「ゴミ置き場が荒らされて困っている」「カラスに威嚇されて怖い」など、被害にお悩みの方は、まずはお住まいの自治体か専門業者にご相談ください。

 一般社団法人全国鳥獣害・衛生防除協会は、全国の害虫・害獣駆除会社の技術向上に取り組んでおり、審査に通過した優良な駆除会社のみが加盟しています。

どこに相談すればいいかわからないという場合は、ぜひ一度当協会までお問い合わせください。状況に応じた適切な対策と業者をご案内いたします。