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畑のハクビシンの足跡は5本指|足跡だけで決めず、食べ跡や地域もみて絞り込む 

2026/9/26

  • ハクビシン駆除

畑のハクビシンの足跡は5本指|足跡だけで決めず、食べ跡や地域もみて絞り込む 

畑に残った足跡を見て「これはハクビシンだろうか」と迷う方は多いと思います。 ただ、足跡の形だけで犯人を決めるのは危険です。

畑にハクビシンの足跡のようなものがある場合の対応や見極め方について、一般社団法人全国鳥獣害・衛生防除協会が解説していきます。

畑でハクビシンの足跡を見つけたら、最初にやることは3つ

畑で足跡を見つけた方がまず確認するのは、足跡の指の本数、作物の食べ跡、そして土が掘り返されているかどうかの3点です。

畑でハクビシンの足跡をみつけたら

ハクビシンとは、ジャコウネコ科に属する中型の獣で、日本には外来種として持ち込まれた動物です。
足跡だけで相手を決められないのは、畑に出入りする中型獣が何種類もいて、そのうちいくつかは足跡がよく似ているからなんです。

農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」には、足跡から獣種を見分けるフローチャートが載っています。
対象は7種で、タヌキ・キツネ・アライグマ・ヌートリア・ハクビシン・アナグマ・テンです。
最初の分岐は「足跡の指の数は何本ですか」で、そこから中心のパッドの形、足跡の大きさ、左右の足の並び方へと分かれています。
出典:農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」

ハクビシンの足跡の特徴:丸い5本指

ハクビシンの足跡は、前足も後ろ足も丸い形で、5本の指がはっきり並び、爪あとが残りにくいという特徴があります。 爪あとが出にくい理由は爪が小さいことが背景にあります。

ハクビシンの足跡の特徴は丸い5本指

柱などを登る際には爪を引っ掛けて登らずに、分厚い肉球を押し付けて挟むように上り下りする動物です。
ですから、爪あとが見当たらないことは、それだけで絞り込みの材料になるんです。
なお、体の大きさは鼻先から尾の先まで1m程度、体重は3〜4kg程度です。

ハクビシンと間違えやすいのが同じ5本指のアナグマで、足跡には長く鋭いかぎ爪の跡が出ます。鼻筋が白く見えるため、姿をハクビシンと取り違える人が多いです。

タヌキは指の数そのものが違う相手です。イヌ科なので地面につくのは4本で、爪も目立ちます。

獣種

地面につく指の数

爪あと

土を掘って餌を探すか

ハクビシン

5本(丸形)

爪が小さく残りにくい

掘らない

アナグマ

5本

長く鋭いかぎ爪の跡が出る

鼻先をねじ込んで掘る

タヌキ

4本

目立つ

掘る、破く

参考:農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」

確認ポイント1.作物の食べ跡を見ると、食べ方の癖が出ます

作物の食べ後にでる食べ方の癖を見分ける

ハクビシンの食べ跡に出るのは、皮だけを器用に吐き出す、実の上半分だけを残すといった、前足を使う癖です。
ぶどうやトマトのように外皮が口に残るものは器用に皮のみ吐き出す習性がり、みかんやナシは枝先まで行って実をお尻の方から食べるため、枝先に実の上部が残ります。
とうもろこしは軸を登って皮を剥き、粒の薄皮が軸に残るので、子供が食べたように見えるそうです。

タヌキによる作物被害だと、噛み癖があるので地際の枝が折れ、ツルが引っ張られます。作物が運ばれて散らかっていたら、タヌキを疑ってください。

確認ポイント2.土が掘り返されていないかを確かめます

土が掘り返されてないか確かめる

畑の土が掘り返されていた場合、その被害はハクビシンのものではない可能性が高くなります。 ハクビシンは穴を掘るのが得意ではない動物ですので掘られた跡があるなら疑う相手は変わります。

足跡だけでは、畑を荒らした害獣を特定できない

ここまでお話してきたように、畑に足跡がある場合、ハクビシンだけを疑うのではなく、アライグマやタヌキ、アナグマなど他の害獣も疑う必要があります。

相手を取り違えたまま手を打っても十分な効果は得られない可能性があります。

ちなみに、畑を荒らす中型獣はハクビシンだけではなく、令和5年度の農作物被害額は、アライグマが4億8,225万円、ハクビシンが3億6,502万円、タヌキが1億4,468万円と並んでいます。
出典:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」

掘り返されていたら、ハクビシンではありません

畑の土が掘り返されていた場合、ハクビシンには土を掘って餌を探す習性がないため、容疑者から外れます。
ハクビシンは土を掘って餌を食べる行動はしないため、掘り返されていたらタヌキやアナグマによる被害の可能性が高いです。

特にアナグマは土を掘る行動習性があり直径5cm程度の小さな穴が点々と続いていたら、アナグマが餌を探した跡かもしれません。 なお、アナグマは11月から4月にかけて冬眠しますので、真冬の掘り返しなら別の相手を考える必要があります。

被害の数字を見ると、ハクビシンが狙う場所は偏っています

ハクビシンが狙うのは地上の作物

ハクビシンによる農作物被害額は、その96%が果樹と野菜に集中しており、土の中で育つ作物はほとんど狙われていません。
農林水産省の「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」によると、ハクビシンによる被害額は3億6,502万円で、内訳は果樹が2億149万円、野菜が1億4,973万円です。

一方でいも類は457万円にとどまり、全体の約1.3%です。
ということは、ハクビシンの被害が地上のものへ強く偏っているということであり、掘り返された畑でハクビシンを疑うのは、筋違いということです。
出典:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」

畑がどこにあるかで、疑う相手は変わります

ハクビシンは全国一律に分布している獣ではなく、九州と沖縄でも分布情報が得られていません。
先ほどご紹介した農林水産省は同じマニュアルで、分布について「九州地方、沖縄でも分布情報は得られていない」としています。
確認されているのは、北海道、青森県以南の東北地方から中国地方の一部地域、そして四国全域です。

畑がどこにあるかで、疑う相手は変わる

畑が九州や沖縄にあるなら、5本指の足跡を見つけてもハクビシン以外を先に疑ったほうが確実です。アナグマは北海道と沖縄を除く広い範囲に生息していますし、タヌキは山間部から農村地帯、市街地まで広く生息しています。
同じ5本指の足跡でも、畑のある場所によって意味が変わりますので、 まずは自分の地域にどの獣が分布しているのかを確かめてみてください。

畑が北海道や九州、沖縄にあるなら、5本指の足跡を見つけてもハクビシン以外を先に疑ったほうが確実です。アナグマは北海道と沖縄を除く広い範囲に生息していますし、タヌキは山間部から農村地帯、市街地まで広く生息しています。
同じ5本指の足跡でも、畑のある場所によって意味が変わりますので、 まずは自分の地域にどの獣が分布しているのかを確かめてみてください。

畑を守る方法:足跡がつながる先をたどる

ここから、ハクビシンから畑を守る対策方法をご案内します。

足跡をひとつずつたどっていくと、ハクビシンが畑のどこから入ってきているのか、経路そのものが見えてきます。

見落としやすいのは、地面より上の経路です。
ハクビシンは、木登りなどの立体的な移動能力に長けており、細い電線の上も移動できる害獣です。
具体的には、電線には手を加えず、物置、樹木、果樹棚などのうち自分で管理できる場所が経路になっていないか確認して、対策をとってください。

ちなみに、タヌキは登るのが得意ではなく、掘ることと破くことで侵入してくるので地上付近の対策が重要で、アナグマは柵を乗り越えて侵入してくることもあるので、地上以外の対策も必要になります。

このように、各害獣の移動や侵入の癖に合わせて、見る高さを変える必要があります。
畑の外周を一周して、足跡がどこで途切れているかを見てみてください。途切れた先の電線や樹木が経路になっているかもしれません。

畑の状態を4つに分けると、次にやることが決まります

畑で足跡を見つけた方が次にやることは、痕跡がどこまでそろっているかで変わり、分かれ道は大きく4つあります。

足跡はあるが、食べ跡も糞も見つからない場合

このときの畑は餌場ではなく通り道になっている可能性が高いので、まず畑の周りに餌になるものが残っていないかを確認します。
ハクビシンは割となんでも食べる害獣で、生ごみや結実のある樹木があれば生活できるとされています。収穫せずに残した果実や野菜くずがあると、通り道はすぐに餌場へ変わってしまうので、そうした放置状態にあるものは片づけてください。

足跡と食べ跡がそろって、ハクビシンだと絞れた場合

相手がハクビシンだと絞れたら、狙われている作物の収穫時期から逆算して、いつまでに手を打つかを決めます。 厄介なのは、体重が3〜4kg程度と軽いため「果樹の枝が折れることは少なく、身軽に枝先まで移動できる」と資料が記している点です。枝が折れにくいため、木の外から眺めただけでは被害に気づきにくいことがあります。実の数を控えると減り方が分かります。

掘り返しがあって、ハクビシン以外が疑われる場合

掘り返しがあるなら、守る高さが相手によって変わるため、ハクビシン向けの資材を買う前に相手を確かめる必要があります。 

タヌキが相手なら地際、アナグマなら地際に加えて、柵や棚まわりも侵入経路として確認が必要になる場合があります。被害をもたらしている相手を特定しないまま対策グッズや資材を買うと、もったいないです。

すでに忌避剤や柵を試したが、被害が止まらない場合

忌避剤や柵を試しても被害が止まらないときは、経路が地面ではなく上から来ている可能性もあります。

地際の隙間、柵の破損や設置状態、周辺の樹木・雨樋などを合わせて確認してください。

ハクビシンは雨樋のようなツルツルした柱でも登ります。柵の高さを足しても、上を渡られていれば止まりません。

それでも止まらないなら、畑の構造を見て判断できる人に現地を見てもらうのが近道です。

畑のハクビシンは、自分の判断で捕まえられない点に注意

鳥獣保護管理法は狩猟で捕る場合を除いて野生鳥獣の捕獲を原則として禁じており、畑に被害が出ていても捕獲には許可が要ります。

環境省は「捕獲許可制度の概要」で「鳥獣又は鳥類の卵については、狩猟により捕獲する場合を除いて、原則としてその捕獲、殺傷又は採取(以下「捕獲等」という)が禁止されています」としています。

農林水産業に被害が出ている場合は「環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて」捕獲できるので、市区町村窓口に問い合わせして許可を得てから対応してください。

畑のハクビシン被害についてのよくある質問

Q. 掘り返しがあっても、ハクビシンの可能性は残りますか?
A. 掘り返しそのものをハクビシンは行いません。ただし、掘り返しはアナグマ、果実の食害はハクビシンというように、2種類が同じ畑に出入りしている場合もあります。片方の痕跡だけで打ち切らないでください。

Q. 家族はハクビシンだと言うのですが、自分はアナグマではないかと思います。どう確かめればいいですか?
A. 爪あとの有無と、土の状態を見てください。ハクビシンは爪が小さく、足跡に爪あとが残りにくい獣です。アナグマは長く鋭い5本のかぎ爪を持ち、餌を探すときに鼻先をねじ込みます。直径5cm程度の小さな穴が点々としていれば、アナグマの可能性が高まります。

Q. 足跡が雨で消えてしまいました。ほかに手がかりはありますか?
A. 食べ跡が残っていれば、そこから絞り込めます。作物が運ばれて散らかっていればタヌキ、というように食べ方の癖が違うためです。糞も手がかりになりますが、農林水産省の見分け方のフローチャートには「糞は時期や食べ物によって色や形状が変わります。このフローはすべての条件にあてはまるものではありません」という注記が付いています。糞だけで断定しないほうが安全です。

Q. 畑の柵に補助は使えますか?
A. 国の鳥獣被害防止総合対策交付金の対象者は都道府県と地域協議会であり、個人が直接申請する制度ではありません。市町村が被害防止計画を作成していることが採択要件のため、市町村の担当窓口へ相談してください。
出典:農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金(令和7年度補正予算)」

最後に

畑で見つけた足跡がハクビシンのものかどうかは、指の本数だけでは決まりません。
形と食べ跡、掘り返しの有無、畑がある地域の4つを重ねて絞り込んでいってください。
まずは畑を一周して、足跡・食べ跡・掘り返しの3つを確かめてください。

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